【感想】ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

公式サイトキャプチャ

画像は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、吹替版を初日の午前中に観てきました。2014年公開の『ゴジラ』、2017年公開の『キングコング: 髑髏島の巨神』の流れを汲むハリウッド版ゴジラシリーズの最新作です。

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』予告3

個人的な感想を総括すると、「突き抜けた作品だったなあ」というところでしょうか。制作陣、特に監督を務めたマイケル・ドハティ氏のゴジラ愛を浴びるための作品と言っても過言ではないと思います。

なんというか、とても良い意味で「日本ゴジラの良いところを切り貼りして制作陣のセンスでブラッシュアップし、ハリウッドの技術でリッチに仕上げた。」という印象。平成ゴジラシリーズ以降の緊張感のある怪獣バトルをベースにしながらも、怪獣たちは昭和シリーズでよく見られた人間臭いキャラクター性を持ち合わせており、これまでにない魅力を放っています。ハリウッド作品ながら昭和と平成、それぞれのゴジラ作品の良さを絶妙なバランスで組み上げ「全部知ってるけど新たな感覚で鑑賞できる新時代のゴジラ」に仕上げたことが本作最大の特徴であり魅力ではないかと思われます。

これまでのゴジラシリーズのオマージュも「これでもか!」というほど盛り込まれており、上映中はニヤニヤが止まりませんでした。オマージュのために別のオマージュを仕込んだと思わせるシーンもあり、2時間ちょっとの上映でどれだけのネタに気付くことができるかを試されているようでもありました。

これだけ制作側の「好き」をブチ込んでしまうと映画としては破綻してしまいそうですが、エンタメ作品としてしっかり成立しているのもこの作品のすごいところ。怪獣バトルをお腹いっぱい見せながらも、ちゃんと前作までを踏襲したそれなりに説得力のあるストーリーをテンポ良く展開し、多少荒っぽくはあるけれどもひとつの家族を軸とした人間ドラマもまとめてくる。もちろん次作にバトンを渡すことも忘れない。ゴジラを知っていれば知っているほど楽しめるのは間違いないけど、知らなくてもひとつの作品として楽しめる仕上がりになっているのではと思っています。

個人的に最も魅了されたのは画作り。一枚絵として完成された魅力的なシーンが非常に多く、それが怪獣のキャラクターを決定付けるのに大きく貢献しています。前述のオマージュの多さから歴代の名場面を現代の技術とセンスでリメイクしたといっても過言ではないシーンも多々あり、懐かしくも新しい、そして抜群に美しいそれらのシーンは写真集にでもして欲しいほど。そして魅力的なシーンでは音楽も魅力的。おなじみのサウンドが格好良くアレンジされ、否が応でも気持ちが昂ります。そういったシーンではモスラが息を飲むほど美しいのは言わずもがな、今回のマイベストはキングギドラ。ストーリーは「いつも通り」な作品なので勝敗の結果はお察しですが、圧倒的な強さや王者の風格を印象付けるシーンが多く、キングギドラ史上最も「強そう」です。

書き上げてみれば誉めに褒めた感想になってしまいましたが、いちゴジラファンとしては本当に良い作品でした。シン・ゴジラとはまた違ったベクトルの「僕が観たかったゴジラ」を観ることができ、とても幸せです。次回作ではいよいよキングコングと激突!ということで今から非常に楽しみです。チャンスがあれば字幕版でもう一度本作を観ておきたいところです。

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