タイトルが略字ばかりでなんかアレだし、もう1ヶ月以上前の話になってしまうのですが、このたび約16年間携帯電話回線を契約していたSoftBankを離れ、いわゆる「格安SIM(MVNO)」と呼ばれる通信会社に乗り換え(MNP)ました。
これから前後編の2回にわたって、きっかけや検討の過程から開通まで記事にしていきたいと思います。今回は1回目の『検討編』です。
きっかけはiPhone 6s
MVNOの検討を始めたそもそものきっかけは、iPhone 6sの発売でした。
iPhoneは3G→4→5と使い、6を見送ったことで6sへの物欲がムクムクと沸いてきましたが、いざ検討してみると改めてスマホの利用料金の高さに驚きました。
4歳の息子も再来年には小学生になります。これからどんどんお金がかかるのに、家計の一部である携帯に月8,000円とか9,000円とか払っていてもいいものかと思ったのが事の始まりです。
自分のスマホの利用状況を見直す
なにはともあれ、まずは自分がスマホをどのように使用してるかを確認しなければ最適な端末やプランを見出すことはできません。とりあえず過去6ヶ月分の請求書から通話時間やデータ通信量の平均を算出したところ…
- 通話時間 約25分/月
- データ通信量 約2.1GB/月
おもいっきりライトユーザーでしたw
通話時間については従量制での契約で月々の請求額からまぁこんなもんだろうと思っていましたが、データ通信量がこの程度だったとは自分事ながらちょっと驚きです。
とはいえ利用実態としては
- 自宅にWi-Fi環境あり
- 田舎なので基本車移動
- Twitterやサイトの閲覧がほどんどでゲームはあまりやらない
- 外出先ではほとんど動画鑑賞しない
- 職場にもWi-Fi環境あり(とはいっても休憩時間にスマホにかじりついているわけではない)
という感じなので妥当な値なのかもしれません。契約は定額で7GB上限だったのであまり気にしていませんでしたが、どおりで通信量超過の制限なんて受けないはず。逆に損をしているぐらいの利用状況でちょっと悔しいぐらいです。
iPhoneじゃなきゃダメなのか?
続いてこの問題。MacユーザーでありiPodユーザーでもあったことから、iPhoneは3Gの国内販売開始からずっと使い続け、自分の頭の中でも「スマホ=iPhone」という図式が出来上がっていますが、本当にiPhoneでなければいけないのか?
答えは「No」。
僕の使い方ならAndroidでもOKです。
iPhoneならではのアプリやサービスを積極的に使用しているわけではなく、日常使用しているアプリやサービスはほとんどAndroidでも利用可能。iPhoneのブラウザもSafariではなくChromeがメイン。独自のサービスで利用しているのはiTunes Storeぐらいですが、これだって購入した楽曲はMacからAndroidスマホ転送してやればいいだけの話。もはやiPhoneでなければいけない理由はほとんど存在しません。
とはいえ長年iPhoneを使用してきたことで、その良さは十分承知しています。特に指に吸い付いているかのような操作感やインターフェイスの統一感と美しさは素晴らしく、今までAndroidのスマホしか使ったことがない人にはぜひ体験して欲しいと思っているぐらいです。
とはいえ、大手キャリアでiPhoneを使用する場合は飛びぬけて料金が高いわけではありません。むしろiPhoneユーザーへの金額的な優遇は高く、MNP転入時など場合によっては型落ちのAndroidスマホよりも安く済む場合があります。契約する携帯電話会社やプラン、MNPか否かなどで慎重に検討する必要がありそうです。
SoftBankじゃなきゃダメなのか?MVNOを含めた他のキャリアは検討できないか?
SoftBankじゃなくても全く問題なし。キャリアメールの相手はほぼ妻と実家の母だけ、SoftBankならではのサービスも特に利用していません。携帯の利用料を安く抑えるということを考えれば、他社へのMNPが良さそうです。
続いて大手キャリアじゃないとダメなのかという問題。いわゆる『格安SIM(MVNO)』ってどうなのよ?という話です。各社の価格だけを見ると非常に魅力的なので、自分の利用状況と照らし合わせて問題なければぜひ導入したいところ。早速調べてみるとデメリットも含めて以下のことがわかりました。
- MVNO業者の回線の借り元はだいたいNTT(docomo)。KDDI(au)の回線を借りている業者もあるが、KDDI回線で使用できるSIMフリースマホの機種は少ない。
- ごく一部を除いて、いわゆる「通話し放題」のプランはなく通話料は従量制。電話をたくさんかける人には向かなそう。
- データ通信はMVNO業者ごとの設備に依存するため、通信品質・速度などは業者によりまちまち。また、データ通信が多用される朝夕の通勤時間帯と昼休みは、一部の業者を除いて大幅に速度低下する。特に昼休みは1Mbps出ていればいい方で、状況や業者によっては100~700Kbpsぐらいまで低下する。
安いなりのデメリットもそれなりにあるようですが、通話時間が少なく、高速通信を要求するような動画鑑賞やゲームを日常的に行わない僕にはあまり問題はなさそうです。データ通信の品質については複数のMVNO業者を調べてみて印象が良かったのが『IIJmio』。MVNO業者としては老舗で通信品質が高く、他の業者と同じように昼休みの時間帯は通信速度がガクッと落ちるものの、比較的安定した速度で通信ができるようです。
各社の価格を比較する
自分のスマホの利用状況などがわかったところで、各社の価格などを調べてみたいと思います。とりあえず条件こんな感じ。
- 端末は、スペック的に自分のやりたいことができればiOS端末でもAndroid端末でもOK(でもちょっとiPhone 6sに未練あり)
- データ通信の上限は3GBプランがあればそれ。3GBのプランがなければ5GB
- たまに仕事で使うからテザリングは必須
- 通話料は過去6ヶ月の平均である25分で計算
- 2年縛りを考慮して2年間使い続けた場合の総額を算出
それでは早速調査開始。
プラン・価格等は2015年10月時点のものです。また、調査した価格や計算結果に誤りがある可能性もありますので、最終的な価格はご自身でお調べください。
表示している価格は調査時の税抜価格です。
SoftBankのままiPhone 6s(64GB)に機種変更
機種変更手数料 | 3,000円 |
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端末代(実質負担額) 1,605円×24ヶ月 | 38,520円 |
通話料(通話し放題ライト) 1,700円×24ヶ月 | 40,800円 |
データ通信料(データ定額パック5G) 5,000円×24ヶ月 | 120,000円 |
オプション(S!ベーシックパック) 300円×24ヶ月 | 7,200円 |
2年間の総合計 | 209,520円 |
まずは契約中のSoftBankから。何かの間違いでMNPとか面倒なことしなくても安くiPhone 6s(で容量は個人的に余裕のある64GB)を使えたらそれはそれでありがたい…なんて思いつつ調べ始めましたが、予想通りのいいお値段でした。
ちなみに通話料は従量制で25分ぶん払うよりも通話し放題ライトにした方が安上がりなのでそちらを選択しています。
SoftBankで現行プランのままiPhone 5の利用を継続
端末台(支払い済み) | 0円 |
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通話料(ホワイトプランで25分通話) 1,900円(基本料900円+通話料1,000円)×24ヶ月 | 46,416円 |
データ通信料(パケットし放題フラット) 5,700円×24ヶ月 | 136,800円 |
オプション(S!ベーシックパック + テザリングオプション) 800円×24ヶ月 | 19,200円 |
2年間の総合計 | 202,416円 |
続いて今使っているiPhone 5をそのまま2年間使い続けたらどうなるのかを計算。今はどうなっているのか知りませんが、調査をした10月下旬の段階では新料金プランに変更できなかったため、現行プランで継続した場合の額を算出しています。
結果はなんとiPhone 6sに機種変更した場合と比べても7,000円ぐらい安い程度。ほぼほぼ同条件で新機種使っても古い機種を大事に使っても金額が変わらないなんてアホくさい話です。
docomoにMNPしてiPhone 6s(64GB)を購入
途中解約の違約金(ソフトバンク) | 9,500円 |
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MNP転出手数料(ソフトバンク) | 3,000円 |
事務契約手数料 | 3,000円 |
端末代(実質負担額) 900円×24ヶ月 | 21,600円 |
通話料(カケホーダイライト) 1,700円×24ヶ月 | 40,800円 |
データ通信料(データM:5GB) 5,000円×24ヶ月 | 120,000円 |
ドコモにチェンジ割 -1,350円×12ヶ月 | -16,200円 |
のりかえボーナス | -10,000円 |
2年間の総合計 | 171,700円 |
お次はdocomo。SoftBankは中途解約になるので違約金が発生するため、それもコストとして含めています。また、こちらもSoftBank同様、通話料は従量制よりカケホーダイライトの方が安上がりなので、そちらを選択しています。カケホーダイライトは1回5分以内の通話であれば基本料金内に含まれる仕様。5分以上通話することなんてほとんどないし、ライトで十分です。
端末の実質負担額の安さや各種割引サービスの効果もあり、SoftBankで機種変更するよりだいぶ安くなります。また、これはiPhone全般に言えることかもしれませんが、iPhoneだとどうしてもAppleCareみたいな補償サービスを利用したくなるため、総額はもう少し高くなることが予想されます。
docomoにMNPしてiPhone 6(16GB)を購入
途中解約の違約金(ソフトバンク) | 9,500円 |
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MNP転出手数料(ソフトバンク) | 3,000円 |
事務契約手数料 | 3,000円 |
端末代(実質負担額) | 0円 |
通話料(カケホーダイライト) 1,700円×24ヶ月 | 40,800円 |
データ通信料(データM:5GB) 5,000円×24ヶ月 | 120,000円 |
ドコモにチェンジ割 -1,350円×12ヶ月 | -16,200円 |
のりかえボーナス | -10,000円 |
2年間の総合計 | 150,100円 |
ショップの店員さんに勧められのがこのプラン。一世代前のiPhone 6(16GB)にすれば端末代が0円になるというものです。確かに安くはなりますが、あと2万円ちょっと足せば容量が4倍の最新機種が手に入ると思うと「じゃあこれで」とは言いづらい価格です。
ちなみにiPhone 6(64GB)なら10,000円だそうです。
docomoにMNPしてXperia Z3 Compactを購入
途中解約の違約金(ソフトバンク) | 9,500円 |
---|---|
MNP転出手数料(ソフトバンク) | 3,000円 |
事務契約手数料 | 3,000円 |
端末代 | 0円 |
通話料(カケホーダイライト) 1,700円×24ヶ月 | 40,800円 |
データ通信料(データM:5GB) 5,000円×24ヶ月 | 120,000円 |
2年間の総合計 | 176,300円 |
もうひとつdocomo、店頭で気になったXperia Z3 Compactです。MNP転入者なら端末代は0円とのこと。旧機種ではありますが、デジタルカメラ「RX100」のユーザーとなってかなり身近になったSONYブランド・CPUは2.5GHzのクアッドコア・画面サイズは小さめの4.6インチ(小さいスマホが好きです。iPhone 6の発売時に手を出さなかったのも大きくなった画面がひとつの要因。)・メインカメラが2,070万画素(!)というなかなか魅力的な端末です。
端末代が0円ならさっきのiPhone 6(16GB)と同じぐらいの価格が期待できるのではと店員さんに聞いてみましたが、結果は上記のとおりiPhone 6s(64GB)購入時よりも高くなるという非常に残念なものでした。iPhone契約者のみに適用される割引サービスがAndroid端末では対象外になることで、例え端末が0円であってもこのような価格になってしまうとのことでした。
0円端末でこれですから、少なくともdocomoでMNP転入でスマホ使おうと思ったらiPhoneより安い端末は存在しないということになるのでしょうか?iPhoneはだいぶ優遇されているようです。
auは…
auについても料金シミュレーターなどでざっくり調べてみましたが、docomoよりわずかに安いぐらいで大差がないので追い込んで調べるのをやめてしまいました。
IIJmioにMNPしていわゆる「格安スマホ」を購入
途中解約の違約金(ソフトバンク) | 9,500円 |
---|---|
MNP転出手数料(ソフトバンク) | 3,000円 |
事務契約手数料 | 3,000円 |
端末代 | 30,000円 |
通話料(みおふぉんダイアルで25分通話) 1,200円(基本料700円+通話料500円)×24ヶ月 | 28,800円 |
データ通信料(ミニマムスタートプラン:3GB) 900円×24ヶ月 | 21,600円 |
2年間の総合計 | 95,900円 |
最後はこちら、MVNOのIIJmio(みおふぉん)にMNPした場合の価格を算出してみました。
端末価格はSIMフリースマホの普及価格帯である30,000円に設定。30,000円前後の機種は決してハイスペックと呼べるものではありませんが、レビューなどを見る限り、自分の用途においては問題なく使用できそうです。
データ通信料は3GB上限のプランがあったのでそちらを設定。通話料は従量制で25分を想定しています。IIJmioでは『みおふぉんダイアル』というサービスを利用すると30秒あたりの通話料が10円になる(大手キャリア従量制プランの約半額)ので、1ヶ月あたりの通話時間が30分ぐらいならかなり安く抑えることができそうです。
価格はご覧のとおり、大手キャリアと比べると文字通り1桁違います。
とはいえこの結果も自分の利用状況などから条件を絞ったからこそのもの。MVNOと言っても端末をiPhone 6s(SIMフリー版64GB)にしてデータ通信プランをひとつ上の5GB上限のものにすると総額は179,580円となり、同等の条件でdocomoにMNPした場合よりも高額になってしまいます(最長5分という条件はありますが、通話料が定額制のdocomoの方が圧倒的お得と言ってもいい状況です)。
結論
SoftBankからMVNOのIIJmioに乗り換え、端末もiPhoneからコスパの高そうなミドルレンジのAndroidに変更します。データ通信の品質などのデメリットを考えると不安は拭いきれませんが、調査のうえでは問題ないはずです。
と、いうわけで次回は『乗り換え編』をお届けしたいと思います。公開まで少々お待ちください。
(12月31日追記)続きを書きました→MVNOにMNPした話(乗り換え手続き編)
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