シンプルで使いやすいCMS『JS CMS』の話

ここ最近、『JS CMS』というCMSを使用しています。

「JS CMS」公式サイト

「JS CMS」公式サイト

JS CMSはウェブデザイナーの田中成憲さんが開発するオープンソースのCMSです。

数年前に存在を知ってからずっと使ってみたいと思っていて、ようやく昨年末に地元企業の小規模なサイトに導入することができました。現在作成中のふたつのサイトもJS CMSで構築しています。

一番の特徴はデータベースを必要としないこと。DBが使えなくてもPHPさえ使えるウェブサーバであればだいたいの場合動作します。さくらインターネットやロリポップなどで提供されているDB(MySQL)が使えない100円/月程度の格安プランでも動作するようです。

また、書き出される公開データは静的なHTMLで、CMSとの分離も容易です。PCにXAMPPなどでCMS環境を作り、書き出された公開データだけをアップロードするのであればサーバ側にはPHPすら必要ありません。

CMSとしての機能は、「いわゆる”ホームページ”を運用するために必要なものがちゃんと揃っている」という印象。公開ページは静的に書き出す仕様上、会員サイトなどユーザーがアクションを起こすようなコンテンツは作れませんし、CMSとしても作成できるのは1ユーザーのみでワークフローや予約投稿の機能などはありません。WordPressのようにプラグインで機能を拡張することもできません。こんな書き方をするとないない尽くしのように聞こえますが、「ひとりのユーザーが静的サイトを管理する」という視点では過不足なく機能が用意されていると思います。

JavaScriptをうまく使ったページの編集画面も非常にわかりやすく、軽快に動作します。うまく表現できませんが、簡単に使おうと思えば難しいことは考えずにとことん簡単に使えるし、ちょっと凝ったことがやりたい人向けには簡単に詳細設定などが呼び出せる画面構成になっています。このへんのUIの作り方はさすがデザイナーさんという感じ。昨年末に導入した企業の担当者はかなり年配の方でしたが、「これなら自分でも簡単に更新できる」と仰っていました。

サイトを制作する側として嬉しいのはとにかくサーバ移転が簡単な点。移転元からダウンロードしたCMSと公開ページ一式を移転先にアップロードすれば完了です。よほど変わった作り方をしていなければ、サーバのアドレス(ドメイン)が変わっても何の問題もなく動作します。サイト制作時は構築用のサーバでひと通り作業を行ってから公開サーバに移転することがほとんどです。WordPressではこの移転作業が超絶面倒なので、初めてJS CMSで移転作業を行ったときは簡単すぎて心配になるほどでした。

実用的なデザインテンプレートが豊富に用意されているのも嬉しいところです。記事執筆現在では26種類のレイアウトを20種類のカラーバリエーションから選んでCMS本体と一緒にダウンロードできます。あまり前向きな話ではありませんが、デザインにお金を掛けられないと言うユーザーさんは少なくないので、安心して使用できるテンプレートが多いと助かります。

これまでCMSとしてはXOOPSやWordPressを筆頭にいろいろと使ってきましたが、JS CMSを導入してから振り返ってみて思うのは「それほど大がかりなCMSでなくてもいいケースも多かったな」ということです。CMSは目的や規模に合わせて選択できるように色々と物色してきたつもりでしたが、自分の知り得る範囲ではこの「丁度よさ」が欠けていたような気がします。他のCMSがリッチになっていく一方で、こういったコンセプトのものがひとつやふたつあってもいいのではと思わせてくれるプロダクトです。

場末のブログで、しかもWordPressで運用しているくせに応援もクソもありませんが、「JS CMSはいいぞ!」ということを伝えたくて2か月ぶりに投稿した記事でございました。

気になった方はぜひJS CMSの公式サイトへ。機能紹介からマニュアルまで、動画などを交えてこのCMSで出来ることがとてつもなく丁寧に、わかりやすく書かれています。

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