【感想】『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』アラフォーおじさんが音ゲーに心を折られる話

3DS本体とリズム怪盗R

そういえば今年は夏の初め頃にニンテンドー 3DSなんかを購入していたりしました。2020年なのに買い替えではなく、初めての3DS購入。

きっかけは6月頃、ゲオで中古の『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』が480円で売っていたこと。この日に限って今までまったく気にしていなかった3DSコーナーをなぜか覗いてしまい、激安の『リズム怪盗〜』を発見して「そういえば気になってたけど遊んでなかったな」なんて思って、その日はなんとなくソフトだけを買って帰り、その後は中古ゲームを扱う店舗を覗くたびに本体の中古価格を確認し、ソフトの購入から1ヶ月後にほぼキズのない箱付き完品のNew 3DS LLを1万円で購入という流れ。

ソフトがリリースされなくなってから久しく、この2ヶ月後には本体の生産終了が発表されるわけで、冷静に考えれば何をやっているんだという話ですが、このときはもう物欲に支配されていたので仕方がありません。とはいえ購入したことを後悔しているかといえばそういうわけでもなく、いわゆる現行機の名札が外れたばかりの3DSは名作・秀作の多くがかなりお求めやすい価格で手に入るので、中古店巡りが楽しくなります。積みゲーが増えていくのはご愛嬌ということで…。

で、3DS購入のきっかけになった『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』は、セガが2012年にリリースした作品。プレイヤーや主人公の『怪盗R』となってパリを舞台に簡単なアドベンチャーパートをこなしつつ、戦闘や潜入シーンではリズムゲームを攻略しながらストーリーを進めていきます。リズムゲーム部分はルールや操作方法が異なる複数のゲームで構成されており、3DSらしく画面タッチやジャイロセンサーを活用したゲームも多く登場し、プレイヤーを飽きさせまいとする工夫が見られます。

エンタテインメント性の高いストーリーはやや強引さがあり、どこかで見たような展開や設定がチラチラするものの、続きが気になる程度には面白かったし、キャラクターはデザインを含めて脇役まで魅力的でした。要所要所で挿入されるアニメは2Dながら3DSの裸眼立体視の機能が生かされており、見応えのある仕上がり。アニメの部分だけは3D効果をMAXにして楽しんでいました。

全体的にまとまりもよく面白かったものの「俺ってこんなに音ゲー下手だったっけ?」という気持ちのほうが勝ってしまい、素直に楽しめなかったというのが正直なところです。リズムゲームを攻略できずに3DS本体を投げそうになったことも数知れず、ようやくエンディングまでたどり着いたときに表示された「まだまだ、ゲームは終わりではありません。」というメッセージを見ても、それ以上プレイする気にはなれませんでした。完全にリズムゲーム部分に心を折られた形です。

このゲーム、先述のとおり操作やルールの異なる多様なリズムゲームで構成されているのですが、一部のゲームでリズムがまったく取れない…。音楽に合わせて入力しても最初から最後までまったく合わず、どのタイミングで入力していいかわからないまま翻弄されたような操作でなんとかクリアしたゲームがいくつかありました。他の音ゲーでは操作が複雑で追いつかないということはありますが、まったくリズムが取れずどうすればいいかわからないという経験をしたのは今作が初めて。ばっちりリズムが取れて高スコアでクリアできるゲームもあるので、それぞれのゲームの出来の問題(特に画面タッチやジャイロセンサーを用いたゲームで多かったので、そのへんの調整の問題)か個人的な得手不得手の問題なんだと思いますが、難しかったという感想すら出ないまま納得のいかない形でゲームが終わるというのは、気持ちのいいものではありません。
ジャズやクラシック調の音楽が多用されている音ゲーは珍しく、ゲームの世界観にも合っていたのに残念です。

個人的に最も残念だったのが『スペースチャンネル5』のパロディステージ、キャラクターこそ異なるものの、スペースチャンネル5の曲で「アップ・ダウン・チュー!」ができるのに、なぜか操作はタッチ操作…。ここだけは十字キーとボタンで遊ばせて欲しかった!

アドベンチャーパートの出来も惜しい。リズムゲームがメインで、ゲームの大半はそれだと勝手に思い込んでいたところもありますが、思っていたよりもアドベンチャーパートのボリュームがありました。ストーリーはほぼ一本道にも関わらず、移動は選択式ではなくマップを操作して歩く仕様になっていたりするのでよりボリュームがあるように思えてしまい、テンポの悪さを感じました。
このあたりまではまだ演出の一環だと思えば理解はできるのですが、それに拍車をかけるのがアドベンチャーパートでのアイテム集め。背景をタップすることで隠されたコインや譜面の切れ端といったアイテムが手に入るのですが、結局移動する度に背景をタップしまくることに…。特に譜面の切れ端はひとつの画面に隠された複数個の音(?)を決まった順番にタップする必要があり、それがなかなか見つからずストレスが溜まります。

チクチクと残念なところばかり書いてしまいましたが、世界観やキャラクターは個人的にとても好きだし、ストーリーもベタながらところどころに熱いシーンもあって最後まで楽しめました。だからこそ残念なところが目立ってしまった印象。盛り上がったシーンからリズムゲームに突入→リズムが取れず何度もリトライ→結局よくわからないまま最低スコアでクリア…の繰り返しはなかなかこたえます。リズムが取れないのはゲームの出来じゃなくて、自分の適性か加齢のせいだと信じたい…。

ストーリーが未完の状態なのも非常に残念なところ。作品としてひとつの事件は解決しているものの主人公の目的は果たされておらず、エンディングも続編を匂わせるものでしたが、8年経った今も続編は作られていません。ゲームじゃなくてもメディア化は難しそうですがどこかで公開してくれないものか…。

そんなこんなで8年越しに気になるゲームを、本体ごと買ってプレイしてみました。ゲーム自体は正直期待しすぎていた部分もありましたが、発売以来気になっていた(とはいえ数年間忘れていましたが…)ゲームで遊ぶことができて満足です。
まだまだ気になってはいるもののプレイしていないタイトルは多いので、財布と相談しながら機会を狙っていろいろと手を付けていきたいところです。

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